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「私の苦しみ、私のせいじゃない!」最高裁、被爆者の願いに背く不当判決!

1 最高裁、不当判決!
 2020年2月25日、最高裁判所第三小法廷(宇賀克也裁判長)は、名古屋、広島、長崎の被爆者が原爆症認定を求めて争ったノーモア・ヒバクシャ(原爆症認定)訴訟において、被爆者の認定申請を認めない不当判決を言い渡しました。

2 原爆症認定集団訴訟からノーモア・ヒバクシャ訴訟へ
 2003年から始まった原爆症認定集団訴訟は、全国17地裁、306名の被爆者が訴訟提起し、勝訴率90%超と行政訴訟としては例を見ない成果を挙げ、2度にわたり認定基準を改定を経て、2009年8月6日、「原爆症認定集団訴訟の終結に関する合意」(8・6合意)が締結されて集団訴訟は終結しました。
 ところが、改定した認定基準でも、本来、認定されるべき認定申請が却下される事態が続発したため、東京、名古屋、大阪、広島、岡山、熊本、長崎の7地裁でたたかわれたのが第2の集団訴訟「ノーモア・ヒバクシャ訴訟」です。それは、8・6合意で「今後 訴訟で争う必要がないように厚生労働大臣との定期協議において解決する」との合意を反故にすることを意味しました。

【最高裁判決はこちら】
①名古屋訴訟判決
②広島訴訟判決
③長崎訴訟判決

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2 最高裁での争点 
 こうした中、被爆者が勝訴した名古屋、広島高裁判決に国が上告・上告受理申立を行っていたところに、被爆者が敗訴の福岡高裁判決(原審は長崎地裁)に対して被爆者が上告し、国、被爆者側双方の上告受理申立が受理されて弁論が開かれました。
 最高裁の争点はただ一つ。認定要件である「要医療性」。原爆症の認定には、疾病が原爆放射線に起因していること(放射線起因性)と現に医療を要する状態にあること(要医療性)の要件が必要なところ、3事件は何れも要医療性をめぐっての争いでした。具体的には、名古屋原告は慢性甲状腺炎について投薬を伴わない経過観察、広島と長崎訴訟の原告は白内障が申請疾病でカリユニ点眼薬での治療について要医療性の判断が分かれていました。
【最高裁広報課の原爆症認定申請却下処分取消請求事件について】

3 史上初めて被爆者が最高裁で意見陳述
 原爆症認定を巡っては集団訴訟以前から個別訴訟として争われてきており、長崎原爆松谷訴訟において最高裁判決が出ています。しかし、この事件は、福岡高裁で敗訴した国の上告を棄却したものであり、口頭弁論は開かれていません。つまり、長い被爆者のたたかいの歴史の中で被爆者が初めて最高裁で弁論をしたのです。
 1月21日に開かれた最高裁の口頭弁論では、名古屋原告の高井さんと広島原告の横山さんが意見陳述。藤原精吾弁護団長 (神戸)、佐々木(広島)、原(長崎)、樽井(名古屋)の各弁護士が続きました。1月の寒空の中、高齢をおして、多くの被爆者が最高裁に傍聴に駆け付け、その代表として意見陳述した二人の姿は神々しいものでした。その姿を見るだけで涙が出てきそうでした。
 最高裁の裁判官達も食い入るように二人の意見陳述に聞き入っていたので、ひょっとしたらいい判決が出るのではないかという期待を抱かせる歴史的弁論でした。
 高井さんの意見陳述
 内藤さんの意見陳述

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 樽井弁護士の意見陳述

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 佐々木弁護士の意見陳述

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 原弁護士の意見陳述

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 藤原弁護士の意見陳述

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4 司法判断の流れに逆行する不当判決
 ところが、最高裁は、名古屋、広島高裁の勝訴判決を破棄して認定申請の却下処分の取消請求を棄却し、福岡高裁に対する被爆者の上告を棄却するという不当判決でした。原爆放射線は被曝から75年が経とうとする今もなお被爆者の身体を蝕み続けています。被爆者の疾病は、原爆放射線に被爆したために発症し、重篤化してるが故に、国の責任において、手厚い保護を行うという被爆者援護法の趣旨からも、経過観察は重要な医療行為であり、放射線起因性が認められる疾患を患った被爆者の状態が経過観察にとどまる場合にも要医療性が認められるべきです。
 高井さんは「私の苦しみ、私のせいじゃない」と訴えました。
 最高裁は、この被爆者の当然の訴えに耳を貸さず、国の主張を追認したものであり、到底、受け入れられません。
 最高裁が、被爆後75年にわたって様々な健康被害に苦しみ、今なお健康を蝕まれている被爆者の救済に背を向けたことは、唯一の戦争被爆国として恥ずべき態度であり、まさに「最低裁判所」と言わざるを得ません。
 最高裁が不当判決を下しても、世界では、核兵器の非人道性に向き合い、現在、35カ国が核兵器禁止条約を批准し、同条約の発効は時間の問題です。
 私たち弁護団は、被爆者とともに、不当判決にめげずに今後とも原爆被害の実相を明らかにし、核兵器廃絶と被爆者救済のために全力を尽くす決意を新たにしていています。
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2020.02.29 Sat l ニュース(原爆症裁判) l コメント (0) トラックバック (0) l top

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