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2019年2月28日
ノーモア・ヒバクシャ訴訟大阪地裁判決についての声明
ノーモア・ヒバクシャ訴訟近畿原告団・全国弁護団
ノーモア・ヒバクシャ訴訟近畿弁護団・全国弁護団連絡会
ノーモア・ヒバクシャ訴訟支援近畿ネットワーク

 本日、大阪地方裁判所第7民事部(松永栄治裁判長)は、原告2名のうち1名について原爆症認定申請の却下処分を取り消し、もう1名の請求を棄却する判決を下した。

 本訴訟は2013年12月16日に改定した「新しい審査の方針」によってもなお、原告らの原爆症認定申請は認められないとして国(厚労大臣)が争ってきた事案である。
 今日の判決はこの「新しい審査の方針」が定めた原爆症認定基準が誤っていることを再度明確にしたものである。このことは、被爆者が原爆症認定を受けるためには裁判を起こさなければならないという異常な事態がなお、続いているということを示すものである。

 判決は、初期放射線による外部被曝だけでなく、残留放射線、すなわち、誘導放射線や放射性降下物が放出する放射線による外部被曝及び内部被曝の可能性も考慮に入れ、当該被爆者の被爆状況、被爆後の行動・活動内容、被爆後に生じた症状等に照らし、当該被爆者が健康に影響を及ぼすような相当程度の被曝をしたと認められるかどうかを個別具体的に検討する必要があるとした。

 そして、狭心症については、動脈硬化性の狭心症と心筋梗塞とは、粥状動脈硬化症を主因とする虚血性心疾患であるという機序において何ら異なるところがないことから、動脈硬化性の狭心症について、放射線被曝との関連性を一般的に肯定した。また、被告の主張する安定狭心症と不安定狭心症を区別するという主張や、他原因の主張を退けた。

 一方、敗訴原告については、前立腺がんの放射線被曝との関連性を認めたものの、被爆地が4.2㎞離れていたこと、入市が6日後であったことなどから、相当程度の被曝をしたとは認めなかった。また、判決は、原告が内部被曝をしていた可能性を認めながら、被曝当時3歳であった原告の立証の困難性を無視し、放射性降下物の影響を過少評価した。これらは、被曝の程度の証明を被爆者に強いるものであって、甚だ不当な判決である。

 本日勝訴した原告は、90歳をこえ、本日出頭することはできなかった。このように原告が高齢化する中で、本日の判決に対して国が控訴してさらに裁判を強いることは人道上も絶対に許されない。

 本日の判決は、2名の原告のうち1名を勝訴させたものであるが、その内容は新しい審査の方針を否定し、被爆者の実態に即して原爆症認定行政を進めるべきことを示した判決であって、有意義なものである。にもかかわらず、国は破綻した原爆症認定制度の運用にしがみついている。国は被爆者の実態を無視した態度を早急に改め、核兵器の非人道性の生き証人である被爆者の立場に立った原爆症認定行政に根本的に転換すべきである。

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 判決にあたり、ノーモア・ヒバクシャ訴訟原告団、全国の被爆者、弁護団は、国及び厚生労働省に対して、以下のことを求める。

1 「新しい審査の方針」の誤りを認め、これを変更し、全原告を救済すること
2 被爆者が「裁判をする必要がないように」被爆者援護法と原爆症認定の在り方を抜本的に改め、被爆者の命あるうちに問題を 解決すること
3 唯一の原爆被爆国として核兵器の非人道性を国際世論に訴え、核兵器禁止条約に加
 入し、核兵器廃絶国際運動の先頭に立つこと
以上
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2019.03.01 Fri l ニュース(原爆症裁判) l コメント (0) トラックバック (0) l top

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