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被爆二世の
ノーモア・ヒバクシャ近畿訴訟・裁判傍聴記(63)
第7民事部・2人の原告が9月27日(木)結審に!
6月2日(土)「全面勝利をめざすつどい」を必ず成功させよう!
2018年5月17日(木)

 5月16日(水)、先週に引き続きノーモア・ヒバクシャ近畿訴訟大阪地裁第7民事部(松永栄治裁判長)の医師証人尋問が行われた。今回の証人尋問の対象となる原告はK・Sさん(91歳、京都市在住、申請疾患は狭心症)。2010年に白内障と狭心症と二度も認定申請したがいずれも却下され、2015年に提訴された。2016年2月には元気な姿を法廷に見せて自ら意見陳述されたが、その後相当に体調を悪くされ、今は本人尋問も難しい状況になっている。
 そのK・Sさんを診て、医師意見書を書かれた河本一成医師(あさくら診療所所長)が今回の証人として証言台に着かれた。

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 主尋問は担当の諸富健弁護士。いくつもの客観的データに基づいて心疾患と放射線との有意な関係を証明し、放射線被曝からの狭心症発症機序が心筋梗塞と同様であること、K・Sさんの被爆状況や急性症状から放射線起因性が明らかであること、定期検査や投薬治療の状況から要医療性のあること等が、しっかりと準備された内容で丁寧に証言されていった。被告国側が主張する他原因論に対しても一つひとつ反論を加える形で証言がなされた。K・Sさんの高コレステロール血症は正常値であること、仮に高コレステロール血症だとしてもそのことで放射線起因性は否定されないこと、血糖値も正常でその影響はないこと、高コレステロール血症・高血圧・高血糖自体に被爆の影響を認める論文が存在していること等々。国側は高齢であることまでを他原因にしているが、K・Sさんは18歳という若年で被爆し、40歳という若さで白内障を発症、腹部動脈瘤も罹患している。この事実からも放射線起因性が否定されることにはならないと明快に述べられた。

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 国側の反対尋問は、これまでのノーモア・ヒバクシャ訴訟で何度も繰り返されてきたワンパターンの質問をまだ同じようにやっている、そんな印象を強く持たせるものだった。証人は物理学や疫学、統計学などについての学位があるのか、相当量の放射線量とはどの程度の線量をいうのか、下痢の原因が被爆だという根拠は何か、どんなに低線量被ばくでも発症すると考えているのか、安定狭心症と不安定狭心症の違いは何か、他原因は一切関係していないというのか、等々だ。傍聴している私たちでも質問内容やそのストーリーが想定できそうなほどだった。被爆者、K・Sさんの具体的な被爆の実相、体験してきた病苦のあり様には一切触れない、上から目線のあてがわれた理屈と論理だけに基づいた質問に終始した。それでも河本医師は一つ一つの質問にきちんと答え、最後は、いろいろ他原因を挙げられても、それでも放射線の影響を排除することはできないのだと断言された。
先週の法廷では裁判官からの質問は一切なかったが、今回は右陪席裁判官から簡単な質問が行われ、K・Sさんの体型や仮にK・Sさんの治療が放置されていたらどうなっていたかなどが尋ねられた。

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 閉廷後はいつものように大阪弁護士会館に移動して短時間の報告集会がもたれた。河本先生からは法廷で証言することは大変だけど、そのことで被爆者の医療のこともしっかりと勉強する機会になると挨拶された。まだまだ原爆の影響、被爆の影響は解明されていないことが多く、被爆者のみなさんのためにこれからも一緒に頑張っていきたいとの決意も披露された。諸富弁護士からはゴールデンウィークも返上して河本先生と一緒に尋問の準備をされてきたことが紹介された。今年1月23日勝訴判決を受けた宮本義光さんも狭心症だった。宮本さんの勝訴判決例も随分力になっているとの報告だった。

▼今回、手違いで河本先生の尋問が次回期日になった喜久山大貴弁護士。
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 今回も最後は藤原精吾弁護団長のまとめで報告集会は締め括られた。その中で5月15日(火)にあったノーモア・ヒバクシャ長崎訴訟の判決結果に触れられた。判決のあった長崎訴訟の原告は1人で、白内障の要医療性が争点だった。判決は経過観察中の原告に要医療性を認めず訴えを退けた。不当な判決で重大な問題だ。要医療性問題は3月7日の名古屋高裁判決で2人の原告が逆転勝訴判決を得て、しかし国はその内の1人だけを上告するという暴挙に出た。要医療性評価は重要な問題になっているのではないか。長崎の裁判も第二審で正当な判決となるよう期待していきたい。私たちも今年に入って全国でいい判決の連続してきたことに安心せず、引き続き気を引き締めて頑張っていきたい。ノーモア・ヒバクシャ訴訟の圧倒的な勝訴判決を背景に認定制度の抜本的改革を必ず実現していこう。そのためにも6月2日の「全面勝利をめざすつどい」の成功をと訴えられた。

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 大阪地裁第7民事部の原告は4人。その内の2人―先週の苑田朔爾さんと今回のK・Sさんは証人尋問が終了した。この2人の次回の弁論は9月27日(水)と決まり、その日が最終弁論、結審となることが予定された。そうなると年内にも判決の可能性が出てくる。後の2人についても次回弁論期日は7月31日(火)と決められたが、そのあたりで証人尋問日程も具体的になるのではないかとの見通しであった。
 尚、第2民事部の方は、国家賠償請求だけを訴訟維持している2人を含めて原告は7人。次回の弁論期日は6月20日(水)となっている。


ノーモア・ヒバクシャ近畿訴訟今後の日程
2018年 6月 2日(土)14:00 大阪グリーン会館 全面勝利をめざすつどい
2018年 6月20日(水)15:00 1007号法廷  地裁第2民事部 弁論
2018年 7月31日(火)13:10 806号法廷   地裁第7民事部 弁論
2018年 8月27日(月)15:00 1007号法廷  地裁第2民事部 弁論
2018年 9月27日(木)13:30 806号法廷   地裁第7民事部 弁論(結審)

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2018.06.09 Sat l ニュース(原爆症裁判) l コメント (0) トラックバック (0) l top

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