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被爆二世のノーモア・ヒバクシャ近畿訴訟・裁判傍聴記(37)
新しい年を必ず認定制度抜本改革への展望を創る年に!
12月11日(金)地裁第2民事部で今年最後の意見陳述!
2015年12月14日(月)


 ノ―モア・ヒバクシャ近畿訴訟は、今年最後となる弁論が、大阪地裁第2民事部(西田隆裕裁判長)において午前11時から行われた。5人の原告で争われている第2民事部は前回9月9日、原告Y・Mさんの思いが代理人弁護士によって訴えられ、全員の意見陳述を終えたところだ。今回は原告の一人淡路登美子さん(大阪府河内長野市)の要医療性の問題について愛須勝也弁護団事務局長から意見陳述された。30人弱の傍聴席は今回も満席で占められた。
 淡路さんは一昨年の4月、自ら法廷に立って訴えをしている。2歳の時広島で被爆、51歳の時胃がんを発症。摘出手術をしたが、術後のダンピング症候群が続いて今も苦しい体調の毎日を強いられ、食欲と言う人並みの楽しみさえ奪われたままの生活が続いている。淡路さんは1995年(平成7年)に原爆症認定申請をしたが却下処分。この時、被爆者手帳記載の被爆距離が何らかの事情で誤って4.1kmになっていた。2007年(平成19年)、当時の認定基準が改定されたのを機に、被爆距離を3.1kmに訂正して(認められて)再度認定申請したが、今度は要医療性を充たさないという理由で再び却下処分された。
 愛須弁護士は、今年10月29日、東京地裁において17人の原告に言い渡された勝訴判決の例を紹介し、淡路さんの要医療性も当然認められなければならないことを主張した。東京地裁判決の原告の中に、胃がん切除後後遺症のダンピング症候群に苦しむ、淡路さんと極めて類似した原告があった。この原告に対して東京地裁は、食事療法の他、消化酵素剤や整腸剤の処方を受けていること等をもって要医療性を認めた。しかも、国は東京地裁判決の内6人に対しては控訴しているが、この胃がん切除後障害の原告に対しては控訴を断念、判決が確定している。最早争う余地はないのではないか、と言い切るかのような陳述だった。
 愛須弁護士はその後更に、10月29日の大阪高裁第6民事部の不当な逆転敗訴判決についても述べ、松谷訴訟最高裁判決以来の一連の司法判断の到達点に水を差す異質な判決であったことを述べた。陳述は更に、松谷最高裁判決の「高度の蓋然性」、集団訴訟における放射線起因性、ノ―モア・ヒバクシャ訴訟判決における放射線起因性についてと続き、その内容は11月27日の大阪高裁第7民事部・控訴審Bグループで行なわれたものと同じであったが、最後も同様に、松谷訴訟以来の司法判断の到達点を踏み外すことなく、被爆者救済の結論を導くようにと訴えて締め括られた。今日の陳述は今回の大阪地裁第2民事部での訴えではあるが、上告された武田武俊さんの最高裁へも、この後続く高裁、地裁の各民事部に対しても、しっかりと声が届くように、と訴えるような陳述であった。

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 会場を大阪弁護士会館に移して短時間の報告集会が行われた。愛須弁護士から今日の意見陳述の要点についての説明と、次回期日が来年3月11日(金)と決まったこと等が報告された。あわせて武田さんの裁判の上告について全国弁護団会議でもしっかりと受け止められたこと、そして迎える新年度の状況がいよいよ山場であることも説明された。年明けは2月25日大阪高裁第7民事部の判決を迎える。地裁も第7民事部で2月9日2人の原告が結審となる。全国では4月11日福岡高裁熊本支部の控訴審で判決、名古屋地裁も事実上の結審となり判決は近い、東京地裁の第2陣も新年度前半には列論が出ていく見通しだ。本当に山場となってくる新しい年をみんなで頑張っていこうと訴えられた。

 まとめのあいさつで尾藤廣喜弁護団幹事長は、来年の近畿も含めた全国の状況について同様に触れながら、依然として方針を変えない国の態度を厳しく批判した。従来通りの基準で却下処分を続け、不満なら裁判しろ言い、提訴されれば徒に時間をかけ、最後は最高裁まで行っても厭わない。本来の認定制度にしていこうと見直そうともしない、居直りの態度は許せない。この状況を変えていくために来年の判決でどうしても追い込んでいこう、重要な局面を迎える来年を頑張っていこうとの呼びかけだった。
2月25日の控訴審Bグループ・高裁第7民事部、梶川一雄さんの判決を絶対勝利するために、「公正な判決を求める」署名運動を急速に高めようとあらためて訴えられた。年末年始の多忙さと重なる時期でもあるが、それだけ多くの人たちと出会い、触れ合いのできる時でもある。そうした機会を最大限生かしてとりくんでいくことを全員で確認した。

尾藤先生_convert_20151214202435

 報告集会の司会を務める西晃弁護士から、今年最後の締めが行われて集会を閉じることになった。かっての集団訴訟の頃ほどではないにしても、それでも毎回の裁判の都度これだけの人たちが駆けつけて傍聴し、報告集会にも最後まで熱心に参加し、署名など様々な活動も行なってきた。これほど持続させてきた運動の力は決して小さいものではない。この力を是非来年2016年度は結実させていこう、と。
2015年は1月30日の地裁第2民事部、7人の原告に対する判決言い渡しで始まった。4人が勝訴、判断の基本的枠組みは維持されたとしながらも、3人が敗訴となる悔しい判決だった。厳しい寒さと降りしきる冷たい雨の中、報告集会会場の中之島公会堂まで歩いたことを思い出す。以来この1年間2つの判決を含んで15回もの裁判が行われた。西弁護士の言われるように、この一年間よくこれだけの裁判に、毎回毎回駆けつけ、傍聴参加され続けてきたものだと思う。2015年度中にも2人の新規提訴者があった。集団訴訟以来初めて経験することになる最高裁を舞台にした闘いも始まる。この一年継続され、積み重ねられてきた努力と力を本当に2016年には実らせていきたいと思う。
報告集会では、山田洋次監督、吉永小百合主演の映画『母と暮らせば』(12月12日公開)が紹介され、鑑賞が勧められた。被爆者の思い、核廃絶への思いをもう一度噛みしめ、平和への願いをアピールしていくために、年末年始のお休みのひとときを是非。

ノーモア・ヒバクシャ近畿訴訟今後の日程
2016年 1月20日(水) 11:00 高裁C(第13民事部) 202号 弁論(原告6人)
2016年 2月 9日(木) 10:30
地裁第7民事部 806号 弁論(原告7人)
2016年 2月25日(木) 13:15 高裁B(第7民事部) 別館83号 判決(梶川さん)
2016年 3月11日(金) 11:00 地裁第2民事部 1007号 弁論(原告5人)
2016年 4月21日(木) 11:00 高裁C(第13民事部) 202号 弁論(原告6人)


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2015.12.14 Mon l ニュース(原爆症裁判) l コメント (0) トラックバック (0) l top

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