10月23日(水)終日、取消6・7・9次訴訟の原告本人尋問。
原告のFさん、川上博夫さん、塚本郁男さんの3人が証言。
尋問担当は、前田麻衣、森川順、園田洋輔の各弁護士。
それぞれの、被爆後の苦しい人生を語ってくれました。
詳細は、平さんの傍聴記に譲りますが、改めて国・厚生労働省の被爆者行政に対して怒りがこみ上げてきました。

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(Fさんの尋問を担当した前田麻衣弁護士)

原告のFさんは、被爆時6歳。長崎市西坂町で被爆。爆心地からの距離は2.2km。翌日9日に、父親に連れられて父親の勤務先である三菱兵器茂里町工場(爆心地から1.2km)まで入市。たまたま休みで助かった父は、「自分だけが助かって申し訳ない」と手を合わせて泣いていたといいます。泣きわめく父親の姿を初めて見て、その光景の異常さがくっきり記憶に残っていると言います。
当時6歳なので、すべてを詳細に覚えている訳ではないのですが、印象的な光景は鮮明に記憶に残っており、その供述に嘘偽りがないことは、誰の目にも明かでした。
被爆後、Fさんは、原因不明で突然倒れるという症状が何回も続き、ずっと苦しんできたと言います。
戦後の苦労を語るときに、Fさんは何度も声を詰まらせていました。
最後に、Fさんは「自分だけが幸せになろうとは思わない。皆さんのためにも心あるならよろしくお願いします。毎日がたたかいなんです」と締めくくられた。
 
国の反対尋問は、通り一遍。
手帳の申請のときに、入市の事実を書かなかったのはなぜか?
ずっと体調が悪いのにタバコを止めなかったのはなぜか?
まったくふざけています。
 
Fさんは、2.2kmの地点で被爆し、翌日に爆心地付近まで入市しており、「新しい審査の方針」で積極認定の対象者です。おまけに被爆時6歳の若年被爆で、放射線感受性が高い。
さらに申請疾病は、積極認定の対象疾病である「心筋梗塞」。
これで、なんで原爆症と認めないのですか!!
「新しい審査の基準」では、『放射線起因性の認められる心筋梗塞』となっているため、加齢や喫煙、高血圧、高脂血症との他原因との鑑別が必要だと厚労省は主張しますが、被爆者は、ほとんど70歳を超える高齢者です。
どうやって、放射線と他原因と区別するんですか。
また、タバコを吸ったら、放射線の影響は消えるんですか。
健康状態が悪いのになぜタバコを止めなかったかって、スナックで働いてお酒はまったく飲まないから手持ちぶさたでタバコ吸ってたって言ってるでしょ。それがおかしいんですか。そもそも、厚労省は喫煙に対して、どんな態度を取ってきたんですか?
 
実際には、医療分科会は、距離だけで判断しているに過ぎないんですよ。
被爆距離がどれだけだから、「浴びた放射線の量はこれだけに過ぎない」って。だから、実際に認められるのは、ごくごく近距離。入市被爆なんて、先祖返りして認められなくなっているじゃないですか!
厚労省は、結局、集団訴訟で裁判所が認めたから、積極認定の対象疾病として心筋梗塞を入れざるを得なかったけれど、積極的に認める気はさらさらなく、「放射線起因性が認められる」という限定を付けて、始めから切り捨てようとしたんでしょう!
そんなことは私たちは最初から分かってましたよ。だから、反対してきたんです。そして、今も言い続けているんですよ。「放射線起因性が認められる」という不当な限定を外せって!
何よりも、裁判所が「心筋梗塞に『しきい値』はない」って言い切っているのを知っていますよね。昨年3月9日の大阪地裁判決も、今年8月2日の判決も。
それを厚労省は、知らぬ振りして無視をし、恥ずかしげもなく司法判断を無視し、今までと同じ主張を延々と繰り返しているんですよ。恥ずかしくないんですかね。まさに厚顔無恥っていうんじゃないですか。裁判官や、検察官の経歴を有している法曹としての見識を疑いますよ。
被爆者の皆さんにとって、裁判でたたかい続けるということがどれだけ、大変か、厚労省の皆さんはわかっているんですかね。
言葉を詰まらせながら、これまでの苦しかったことを思い出しながら、「あなたの言っていることは信用できない。嘘だ」って言われながら、それを堪え忍ばないといけないんですよ。

今、行われている「原爆症認定制度の在り方検討会」の委員の中には、「今のままの基準で問題なくて、処分に不服のある人は裁判で争って救済を受ければいい」という委員もおられるようですが、この人は、きっと立派な経歴なんでしょうが、被爆者の声を聞いたことがあるんでしょうか。被爆者の手記の一つでも、原告らの裁判所での訴えの一つでも読んでみることをお勧めします。
いずれにしても、こんな不毛なことを続けるのでしょうか。
厚労省からは、「文句を言う人がいなくなるまで」という答えが聞こえてきそうです。
そんな酷いことを本気で考えているんですか?
 
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(塚本郁男さんと、塚本さんを支え続けた奥様。その隣は、尋問担当をした園田洋輔弁護士)
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2013.10.24 Thu l ニュース(原爆症裁判) l コメント (0) トラックバック (0) l top

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