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厚生労働大臣との第三回定期協議に参加しました。
ようやく約1年半ぶりの3回目。第1回目の長妻さんは厚労官僚の操り人形、第2回目の小宮山大臣は苦渋の表情を見せつつ、現状を打開することはできませんでした。

政権交代によって、初めての自民党政権下での厚労大臣との定期協議です。

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(挨拶する田村憲久厚生労働大臣)

被団協の田中煕巳事務局長は、田村大臣の叔父の田村元・衆議院議長が長崎の被爆者ということもあり、また被団協の署名に協力してくれていることもあり、期待感を表明されました。

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(挨拶する田中煕巳日本被団協事務局長)

宮原全国弁連事務局長の統一要求の後、近畿弁護団の藤原精吾弁護団長の追加意見が表明されました。

第3回大臣交渉+010_convert_20130921184700
(意見を表明する近畿弁護団団長の藤原精吾弁護士)


 田村厚生労働大臣、8月2日、大阪地裁で原告8名全員について原爆症認定を命ずる判決がありました。安倍総理の決断により同月9日、控訴することなく確定しました。私はこの近畿訴訟の弁護団長を務めている弁護士の藤原精吾です。
 ところで大臣は何故化学兵器がシリア介入の理由とされたかご存じですね。生物・化学兵器が非戦闘員である市民を、大量・無差別に殺戮するからです。
 原子爆弾は大量破壊兵器の親玉です。それに加えて、被爆による遺伝子の損傷は生涯残り、体内に取り込まれた放射性物質は68年経った今でも継続的に遺伝子を傷つけています。それが被爆者なのです。
 1963年12月7日東京地裁で言い渡された下田原爆裁判は、原爆の国際人道法違反と日本国の責任について明言しています。
 広島・長崎への原爆投下は当時の国際法からみて違法な戦闘行為であり、戦時国際法の基本原則に違反する。
 国は戦争を可能な限り回避すべきであり、「国家は自らの権限と自らの責任において開始した戦争により、国民の多くの人びとを死に導き、傷害を負わせ、不安な生活に追い込んだのである。しかもその被害の甚大なことは、とうてい一般災害の比ではない。国がこれに鑑み十分な救済策を執るべきことは多言を要しないであろう。」
 原爆症認定集団訴訟で2011年7月5日言い渡された東京地裁判決でも、最高裁の昭和53年3月30日判決㊟を引用して、「被爆者援護法」は、国の国家補償的配慮を根底とする制度であると明言しています。
にも拘わらず、厚生労働省が現に行っている原爆症認定行政は国の責任を果たしていません。裁判所が認定すべきだとしたすべてのケースで、行政は却下を繰り返し、その口実として用いるのが線量の過小評価と放射線被害の過小評価です。行政が残留放射線被曝、内部被曝を無視ないし軽視してきたことです。8月2日の大阪地裁判決でもこれを批判すると共に、放射線による心筋梗塞と甲状腺機能低下症にはしきい値がないことを指摘しました。
日本は法治国です。法治国という意味は、すべての政治は憲法と法律により行われ、その最終解釈は裁判所が行うということです。厚生労働省の人たちは「司法と行政の乖離」などと云っています。乖離、隔たりという言葉で、行政が司法の判断に従わないことを正当化しているのです。その隠れ蓑は「医療分科会」です。そのメンバーたちは、厚生労働省の城に閉じこもって、判決が30回も誤りを指摘しているのに、恥じることなく過ちを繰り返しています。
 「原爆症認定制度の在り方に関する検討会(認定制度検討会)」をその続きにしてはなりません。田村大臣!政治家でもある厚生労働大臣の大きな役割は、大所高所に立って、被爆者と核兵器に対する国家の姿勢を示すため、認定の在り方について大きく舵をとることです。
 それを何時やるのか。「今でしょ!」
 被爆者と国民世論は大臣に期待しています。

㊟ 孫振斗・最高裁判決(昭和53年3月30日)(判例時報886号3頁以下)
  最高裁は、被爆者援護法の解釈の基本理念を次のとおり判示している。原子爆弾による健康上の障害がかつて例を見ない特異かつ深刻なものであると並んで、かかる障害が遡れば戦争という国の行為によってもたらされたものであり、しかも、被爆者の多くが今なお生活上一般戦争被害者より不安定な状況に置かれている、という事実は見逃すことができない。原爆医療法(現行法の前身の法律)は、このような特殊な戦争被害について戦争遂行主体であった国が、自らの責任により救済を図る一面も有するものであり、その点では実質的に国家補償的配慮が制度の根底にある。



これに対して、田村憲久厚労大臣は、「現行の審査の方針は、与党PTの提言を受けて、援護法の精神である救済の立場に立ち原因確率を改めて策定したが、積極認定の白内障、心筋梗塞、甲状腺機能低下症、肝機能障害等については、生活習慣や加齢など、放射線に起因しない場合にも起こりうるという解釈の下で、これと混同しないために、『放射線起因性が認められる』ということがあえて入っていることであるが、そこも含めて原爆症認定制度の在り方検討会で議論されており、総理の指示の下、年内に結論を出すと言うことなので、この結論を踏まえた上で対応をさせていただきたいというふうに思っています。この検討会のメンバーに被団協のメンバーも入って頂いているのでしっかりした議論をしていただきたい」と答弁されました。

さすが、優秀な厚労官僚の皆さん、事前に大臣にしっかりレクをされているようです。

しかし、ちょっと待って下さいね。厚労大臣。

8月2日の判決の原告は全員、心筋梗塞か甲状腺機能低下症を申請疾病とする原告でした。
被告厚労省は、これらの疾病は生活習慣や加齢・喫煙・高血圧などによっても罹患するので、それと混同しないために「放射線起因性」の判断をしなければならないと主張して、原告の喫煙歴などを殊更に問題にしてきました。しかし、実際には、被爆者の皆さんは全員、例外なく高齢です。今回の原告は5人が80歳代、一番若い原告も72歳です。また、今でこそ喫煙については厳しい環境にありますが、昔は国民総スモーキング状態でした。結局、何で放射線起因性を判断しているかと言えば、実際には被爆距離です。「原告の浴びた推定被曝線量は、せいぜい、0,000グレイに過ぎないから放射線の影響を受けていない」と言って、余程の近距離で奇跡的に助かった被爆者を認定するだけなのです。集団訴訟の結果、ようやく認められるようになった入市被爆者は、全員却下です。これのどこが、「積極認定」なのでしょうか!!

大阪地裁判決は、心筋梗塞について、これ以上浴びなければ影響がないというしきい値はないとして、加齢や喫煙歴は危険因子ではあるが、だからといって放射線の影響を否定することはできないと明確に判示しました。その結果、全員の却下処分を違法と認めて、却下処分を取り消し、認定を命じたのです。
さらに言えば、このような司法判断は、何も今回が初めてではありません。昨年3月には、同じく大阪地裁は、2名の心筋梗塞の原告について同じ判断をしています。集団訴訟の中でも何度も同じ判断がされているのです。だからこそ、新しい審査の方針にも、積極認定の対象疾病とされたのです。

もはや事態は、「行政と司法の乖離」などではありません。
行政による司法判断の「無視」です。これでは法治国家とは言えません。

被団協事務局次長の児玉さんは、最後に、田村厚労大臣にこう迫りました。

「昨年だけで9000人の被爆者の方が亡くなっています。単純計算で1日20人以上の被爆者の方が、悔しい思いをしながら亡くなっているのです。もう待っていられないのです。高齢化した被爆者の中には認定申請を出せない人もいる。是非とも制度改正を早く実現してほしい。在り方検討会でいい報告が出るとは思えない状況です。副大臣、政務官にも被爆者の話を聞いてもらいたい。被爆の実相に沿った決断をしてもらいたい。来年になると加速度的に亡くなる人が増えると思う。『被爆者が死ぬのを待っているのですか!』と言われないようによろしくお願いしたい」

最後に、山本英典原告団代表が、挨拶。
今日の定期協議は、話し合いで解決する場です。検討会の結論を待って先延ばしする考え方は納得できないです。定期協議の場を大事にしてほしい。こんなセレモニー的な会合だと意味がない。」と厳しい意見。

近畿弁護団からは、藤原団長の他、私も参加しました。近畿弁護団は、厚生労働省の優秀な官僚の皆さんに、嫌われているんだろうなというのは、ひしひしと感じました(お茶が出ていなかったことへの皮肉ではないです)。集団訴訟後の個別訴訟への言及はできるだけ避けてほしいのだろうな、その話題は触れないでほしんだろうなと思っておられるんでしょうね。いつまで経っても裁判が終わらなかったら、集団訴訟終結のための「8・6合意」を締結した意味がないですものね。しかし、約束を破ったのは、私たちじゃないですよ。
積極認定と言いながら、2重、3重基準で、元の状態に戻そうとしているのは厚労省の皆さんですよ。
とりあえず、この状態を終息させるには、まずは、現行の認定基準の「放射線起因性の認められる」という条件を取り払うことしかないです。その上で、制度の改正をするべきです。

最後に、時間がきたから交渉を早く切り上げようという厚生労働省の優秀な官僚の皆さんのおかげで発言時間はありませんでしたが、記者会見では、8月2日の大阪地裁判決の持つ意味を表明しました。

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(近畿弁護団から参加した藤原団長と私・愛須)

第3回大臣交渉+014_convert_20130921184916
(場所を移して行われた記者会見の様子。左から宮原哲朗全国弁連事務局長、坪井直日本被団協代表委員、東京の原告の立野季子さん、広島の原告八木義彦さん、田中煕巳日本被団協事務長、山本英典全国原告団長)


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2013.09.21 Sat l 未分類 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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