産経新聞や毎日、読売新聞に、2日の大阪地裁判決を受けて、政府が原爆症認定基準を見直すかのような報道があり、明日の広島の原爆忌において、安倍首相も何らかの言及をするのではないかと推測されます。
政府が、大阪地裁の敗訴判決を受けて、認定基準の見直しをするのは積極的に評価されるべきだと思います。
前の安倍政権のときにも、8・6前の熊本地裁判決を受けて、安倍首相が厚労省に見直しの検討を指示し、現行の「新しい審査の基準」が策定されたという経緯があります。
報道を受けて、マスコミからもコメントを求められています。

原爆症新基準、積極適用へ 政府方針、不認定救済へ道(産経新聞8月5日付)

 被爆者の申請却下が続く原爆症認定で、政府が平成20年に定められた新認定基準を柔軟運用し、爆心地から3・5キロ以内で被爆した人や、原爆投下後一定の条件内で被爆地に入った入市(にゅうし)被爆者について、がんや白血病を患った場合は100%の救済対象とするなどの積極認定方針を固めたことが、与党関係者への取材で分かった。原爆症認定では、新基準の導入後も典型症例から外れれば認定されないケースが出ており、今回の方針決定はこうした被爆者に認定への道を広げることにつながりそうだ。
原爆症認定をめぐっては、自民党の被爆者救済を進める議員連盟が「積極認定による早期解決」を提唱。新認定基準にある要件のうち、(1)爆心地から3・5キロ以内での被爆者や原爆投下から100時間以内に2キロ以内に入った入市被爆者らのうち、がんや白血病になった場合は100%救済(2)入市被爆者について、甲状腺機能低下症など他の疾病も積極認定する-ことなど4項目を求めていた。
関係者によると、政府は(1)と(2)のほか、(3)原爆投下後に降った「黒い雨」体験者の相談・支援事業予算(今年度は4400万円)を平成26年度に倍増することも受け入れる方針を決定。ただし、(4)要介護の被爆者が原爆症認定の疾病を申請した場合、かかりつけ医の認定があれば医療特別手当(月7万円程度)を支給するとの項目については難色を示しているという。

 原爆症認定は、新基準導入後に認定件数が大幅に増えたが、「疾病が放射線起因性と認められない」などの理由で却下された被爆者の一部が却下処分の取り消しを求めて提訴。今月2日には大阪地裁で被爆者8人について原告の訴えを認める判決が出され、新基準での審査について「被爆状況やその後の行動、症例などを十分に検討する必要がある」と指摘された。



しかし、報道されている限りでは、その内容は「何を今更」というレベルで、今回の大阪地裁判決を前提にすれば、もっと大幅な改定が必要です。
報道内容を見ると、
①爆心地から3・5キロ以内での被爆者のがん、白血病、非がん疾患は100%救済、
②原爆投下から100時間以内に2キロ以内に入った入市被爆者らのうち、がんや白血病になった場合は100%救済
③入市被爆者について、非がん疾患である甲状腺機能低下症など他の疾病も「積極認定する」
というもののようです。
しかし、そもそも、①②は「新しい審査の方針」によっても格段に反対すべき事由がない限り積極的に認定するとして100%救済が当然の前提とされていました。それが、現実の認定申請では、積極認定の対象者とされているにもかかわらず、認定されないケースもありました。
最も、問題なのは、③の入市被爆のケースです。入市被爆者の非がん疾患(心筋梗塞、甲状腺機能低下症、慢性肝炎・肝硬変)の場合、100%救済ではなく、「積極認定」とされているに過ぎません。
100%救済のカテゴリーとの対比で言えば、「積極認定」は100%ではなく、現行の「放射線起因性が認められる」という限定要件とどこが違うのかということになります。
これに対して、8月2日の大阪地裁判決は、心筋梗塞(狭心症含む)について、「しきい値」(ある線量以下では影響がないとする値)はないとするのが合理的、甲状腺機能低下症についても、低線量域でも放射線被曝との関連性を一般的に肯定することができるとして、加齢や高血圧症、高脂血症、喫煙などの他原因が原因であるとする国の主張をすべて退けているのです。つまり、「放射線起因性が認められる」という循環論法の限定は不当であることを示したことになります。
よって、国が認定基準を改定するのであれば、この「放射線起因性が認められる」という限定の撤廃こそが求められると言うべきです。

認定基準の見直しについては、上記のような報道がされていますが、2日の大阪地裁判決の控訴残念についての報道はありません。
控訴期限は、8月16日(金)です。
ぜひ、厚労省への「控訴するな」の要請FAXにご協力下さい。

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2013.08.05 Mon l ニュース(原爆症裁判) l コメント (0) トラックバック (0) l top

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