厚生労働省よ!どこまで卑劣なんだ!

 

3月9日、原爆症認定訴訟の判決が大阪地裁で言い渡されました。
 
集団訴訟の終結後、全国で最初の判決でした。
 原告の2人は何れも、審査方針で積極認定される対象者であり、積極認定の対象疾病とされる心筋梗塞を申請疾病とする原告でした。
 判決は、一定の放射線量を浴びなければ発症しないとするしきい値論を明確に否定して、内部被曝、低線量被曝による健康被害の可能性を認めて原告らの心筋梗塞の放射線起因性を認めました。集団訴訟の到達点を踏まえた素晴らしい判決であり、国は控訴すらできず3月23日確定しました。
 
ところが、国は判決確定により原告らの原爆症認定をする義務を負っているにもかかわらず、確定後、3ヶ月以上経過した現在に至っても、認定をしていません!
 従前の例でも数週間、長くても2ヶ月もあれば認定されるはずです。認定数が増えた直近の例でも2ヶ月以内に認定されています。
 
ところが、厚労省は、弁護団が問い合わせても、「まだ決裁がとれていない」とまともに対応せず、遅れていることを謝ろうともしません。担当弁護士も思わず、「認定の到達を待ちわびている原告の気持ちを考えたことがあるんですか!」と怒りを露わにしたといいます。
 原告はお二人とも、積極的認定の対象にもかかわらず、認定申請を長期間「放置」され、塩漬けにされました(却下すれば、また訴訟を起こされるので)。
 二人は、国が認定を怠り、認定を待たせたことに対して、「不作為の違法確認+義務付+国賠」を求めて義務付け訴訟を提訴しました(お一人は、義務付訴訟直前に却下されたために、取消訴訟を提起)。
 義務付訴訟を提起したMさんは、結審し、判決の言渡しが予定されていました。
 
ところが、国は姑息にも、判決直前に、認定申請を却下し、判決が出るのを阻止してきました。その上で、弁論の再開を申し立てて、訴訟を引き延ばししました。Mさん、家族にも反対されて匿名で訴訟をたたかってきました。もう1人の原告である中村さんは、脳梗塞を発症して後遺症が残る状態で、判決報告集会でも振り絞るように、「これでようやく長かった戦後が終わる」と挨拶をしました。

厚生労働省よ!どこまで被爆者をいじめれば気が済むんだ!

ノーモア・ヒバクシャ近畿訴訟弁護団は、7月5日、厚労省に対して抗議声明を出しました。


厚生労働大臣 小 宮 山  洋 子 殿

                                2012(平成24)年7月5日

平成24年3月9日判決の原告らに対する
原爆症認定がなされないことに抗議し,
同処分を直ちに行うことを求める要望書


              ノーモア・ヒバクシャ近畿訴訟弁護団            弁護団長 弁護士 藤 原 精 吾



 平成24年3月9日,大阪地方裁判所第2民事部において,原告二名に対する原爆症認定申請却下処分を取り消すとの判決がなされました。この判決は,昭和3年生まれのお二人が,病をおし,文字どおり全力を振り絞ってようやく勝ち取ったものです。また,原告のうち一人については,原爆症と認定せよとの認定義務付け判決まで出されました。そして,この判決は控訴されることなく確定しています。

 にもかかわらず,お二人のもとには,まだ認定書が届いておりません。
 この間,代理人から担当課である健康局総務課に対して,再三にわたり早く認定作業を行うようにと申し入れてきましたが,本日の時点でも担当者からはまだ認定業務が完了していないとの回答しかありませんでした。
 判決確定から既に3ヶ月以上の日数が経過しています。
 これまでの例から見ても認定作業自体に要する時間は僅かなものです。
 にもかかわらず,何故,未だに認定処分がなされていないのでしょうか?
行政の怠慢であることは明らかです。
  また,法廷で語られた被爆者の原爆症認定に対する思い,被爆後67年にわたる心身の苦しみ,そして,却下処分の誤りを詳細に認定し,原告を原爆症と認定せよと断じた判決の重みを厚労省が我が事と受け止めていない事実も露呈しました。

 自ら犯した過ちを省みず,原告らの思いを踏みにじり,司法判断に背き続ける厚労省の態度。これは,判決の拘束力を明文で規定した行政事件訴訟法第33条ならびに第38条にも明らかに違反しており,「法律による行政」とはほど遠いものです。
 我々原告団,弁護団はこのような厚労省の態度を決して許すことができません。本書をもって厳重に抗議いたします。
 また,お二人に対する原爆症認定処分がこれ以上遅延するようであれば,国家賠償請求等あらたな訴訟提起も辞さない覚悟です。

 お二人は,今日も,今か今かと認定書の到着を待っておられます。
 お二人の原爆症認定に対する思いを真摯に受け止め,直ちに認定処分を行うことを強く要請するものです。




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2012.07.06 Fri l ニュース(原爆症裁判) l コメント (4) トラックバック (0) l top

コメント

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機会的運用は厚労省の最も得意なところのはず。どうしたんだよ、厚労省!
2012.07.06 Fri l ありゃま. URL l 編集
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2012.08.20 Mon l . l 編集
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2012.08.29 Wed l . l 編集
放射性ヨー素
6月6日の裁判傍聴で感じたことです。
放射性ヨー素の半減期が短いことと、甲状腺の発病までの期間が長いこととの関係が、国側代理人にはぜんぜん分かっていません。彼らの原爆症についての、お粗末な認識を暴露するものでした。
ぜひ次の機会に、ストレートな批判をしていただきたいと願っています。
放射性ヨー素は甲状腺に集中し、半減期が短いだけに集中的に甲状腺細胞(遺伝子)を損傷します。しかし、遺伝子が損傷しても、それが発病として現れるまでには時間がかかります。(いったん損傷した遺伝子でも、修復されることもあるし、修復されずに損傷したまま複製・増殖することもある。被曝線量が高いほど、修復できなくなる。)
だから半減期が短いのに、ずっとあとで発病するのです。こういうメカニズムは放射線の生物への影響を考えるうえでの「常識」です。
6月6日の国側代理人は、ぜんぜん、そのことが分かっていない様子でした。
2013.06.07 Fri l 副島圀義. URL l 編集

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