これが、原爆症認定訴訟における国の内部被曝に関する主張です。

福島第一原発事故が起こった後も、この主張を維持しています。
維持しているどころか、まったく同じ主張を述べた書面を現在も提出してきています。


政府は、原発事故については、ここまで露骨に言いませんが、原爆も原発も放射線の人体影響に関する考え方はまったく同じです。同じ(御用)学者によって主張されているんですから。
そして、その根拠は、要するに「内部被曝については、はっきりしたことがわからない」、「確立した科学的知見がない」ということに尽きます。
だから、健康影響も「ない」、「大したことはない」となる訳です。
原発推進の論理とまったく同じです。


 内部被曝による健康被害の影響は重視する必要はないというのが確立した科学的知見である。

・ 内部被曝による影響については、外部被曝であろうが内部被曝であろうが、全身や組織、臓器が受ける放射線の量が同じであれば、人体影響に差異がないというのが現在の科学的知見である。

 長崎の西山地区において生活し、物理的半減期30年の核分裂生成物(セシウム137)を継続的して体内に摂取したと考えられる住民を対象とし、体内から放出されるセシウム137を測定機器を用いて実測した結果、昭和20年から昭和60年までの40年間に及ぶ内部被曝線量の積算線量は、男性でわずか0.0001グレイ、女性ではわずか0.00008グレイにすぎず、自然放射線による年間の内部被曝線量(0.0016シーベルト=すべてガンマ線であった場合0.0016グレイ)と比較しても格段に小さい。

・ 科学的観点から見れば、内部被曝により1グレイの被曝をするためには、原爆投下直後に、爆心地付近の土壌を数十キログラム単位(マンガン56なら36キロ、ナトリウム24なら111キロ)で一度に体内に摂取しなければならないことになるのであって、現実には想定し難い事態というべきである。

・ 放射線核種によって最も高濃度に汚染された西山地区の被爆者が浦上川の水を、浦上川の表面積で100立方センチメートル分(おおよそ1リットル(1000㎤)飲んだと仮定しても、その放射線は、セシウム137、ストロンチウム90のいずれの放射線核種についても330ベクレル(3.3Bq/㎠×10㎝×10㎝)以下となる。その場合の内部被曝線量は、国際放射線防護委員会(ICRP)が承認している線量換算係数によって客観的に算定でできる。(略)したがって、浦上川の水を大量に飲んだとしても、内部被曝線量は無視し得る程度のものであることは明らか。

・ チェルノブイリ原発事故の際には、小児甲状腺がんが多数発生したとされているが、これは、そもそも、広島の原爆とは比較にならないほどの大量の放射性物質が周辺地域に放出され、特に揮発性の放射性物質である放射性ヨウ素が大量に放出されたためである(ヨウ素は甲状腺に局所的に集まる傾向がある)
原爆の被爆者には、内部被曝により、このような特定の臓器についてがんが多発したという傾向は全く見られておらず、このことは、原爆による内部被曝の影響が無視し得る程度のものであったことの証左である。被爆者が内部被曝の影響を受けていないことは、チェルノブイリ事故と比較しても明らかである。

・ 医療現場を見ても、核医学の分野では放射線核種を投与して、診断に役立てているが、それによって一定量の内部被曝が起きているものの、それによる人体影響がないというのが医療の常識である。内部被曝による健康被害が現れるという知見はないし、もし想定されるのならば核医学診断そのものが成り立たない。

・ 内部被曝の影響を強調する者が依拠しているのは、そもそも古い時代の単なる仮説であり、しかもその仮説は現在、理論的に誤りであることが証明され、かつ、実証的にも否定されており、およそ内部被曝の影響を重視する根拠になり得ないものであることが判明している。
放射線の人体影響が未解明であることを強調し、わずかな線量の放射線被曝によって様々な疾病が発症したとする見解は、今日の放射線医学の常識に明らかに反しており、このような見解に従うならば、現在放射線を用いた診断や治療に携わる医療従事者に対し講じられている現在の様々な安全対策(例えば、放射線業務従事者については、実効線量限度が一定期間における線量限度として定められており、その値は1年間につき50ミリシーベルトである)は、根本的に見直さざるを得なくなるとともに、多くの患者の命を救っている放射線を用いた診断・治療のほとんどは、我が国においては用いることができないという事態になりかねない。
 結局、放射線被曝による健康被害は、内部被曝か外部被曝かといった被曝態様で危険性が変わるというものではなく、どれだけの線量の放射線被曝をしたかが問題である。そして、内部被曝による被曝線量はどのように見積もってもごくわずかな被曝線量にしかならないから、結論として、内部被爆の問題は人体の健康影響を考慮するに当たって無視し得る。


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2011.09.05 Mon l ニュース(原爆症裁判) l コメント (0) トラックバック (0) l top

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