原爆症集団訴訟の東京訴訟は、ようやく終結しました。

2011年7月6日

原爆症認定集団東京訴訟(3次) 東京地裁判決についての声明



原爆症認定集団訴訟近畿原告団

1 昨日、東京地方裁判所民事3部(八木一洋裁判長)は、原爆症認定集団訴訟東京第3次訴訟に関し、未認定原告16名のうち4名を除いて、却下処分を取り消す勝訴判決を言い渡し、原爆症認定集団訴訟の東京訴訟は終結した。

2 判決は、被爆者援護法が「実質的には国家補償的配慮をも制度の根底にすえて」いると判示するとともに、被爆者の高齢化という事実にも着目し、被ばくによる健康被害と高齢化による健康状態の低下が競合する状況であることを前提として、「同法の目的及び趣旨を損なうことのないように」認定制度を運用すべきとして原告らの願いに応えた極めて妥当な判断をした。
 そして、放射線起因性の証明について、原爆被害の未解明性と科学の限界を指摘した上で、「原爆放射線の影響が及んでいると疑われ、それに沿う相応の研究の成果が存在している疾病については」積極的に認定すべきとして、積極認定疾病であるがんは当然のこと、積極認定疾病にもかかわらず、最近の医療分科会においては「放射線起因性の認められる」という不当要件のためにほとんど認められていない心筋梗塞、肝機能障害(C型)についても放射線起因性を認めた。国は、内部被曝の影響を軽視するICRP等の基準を絶対視し、被曝実態に意図的に目をそらす「学者」の学説を金科玉条のごとくしがみつき、これに反する学説は、すべて科学的に決着がついたかのような「独善的」な主張を繰り返してきたが、それが誤りであることは明白となった。さらに、既に判決で認られてきた脳梗塞、、狭心症、、甲状腺機能亢進症に加えて、集団訴訟では初めて、胸部大動脈瘤の放射線起因性を認めるなど、被爆者の症状を丁寧に認定した
 被爆態様についても、国が「低線量域については放射線起因性を裏付ける知見が無い」として争った心筋梗塞についても広く認容し、狭心症、脳梗塞についても、被曝実態に即して近距離に限定することなく放射線起因性を認めたことは、現行の認定行政の欺瞞性を浮き彫りにしたものである。
 また、国が、喫煙、飲酒さらに高血圧、高脂血症、加齢、食生活等ありとあらゆる他原因の存在を理由に放射線起因性を争ったのに対し、かかるリスク要因のみで切り捨てることなく、総合評価が必要であるとして国の主張を退けた点も極めて正当なものである。
 さらに、被爆者の証言に変遷があるとの国の恥ずべき反論について、差別偏見から正直に事実を述べられないという被爆者の心情を正当に評価して、その変遷を問題にしなかった。
  4名の原告については訴えが棄却されたことは残念であるが、これを措いても、本判決が現行の認定行政の根本的見直しを強く迫る意義は些かも揺るがない。

3 集団訴訟における連戦連敗を受けて、2009年8月6日、麻生首相(当時)と日本被団協の間で「原爆症認定集団訴訟の終結に関する基本方針に係る確認書」が締結され、国は一連の司法判断を厳粛に受け止めて陳謝し、一人でも多くの被爆者が迅速に認定されるよう努力する旨の内閣官房長官談話を発した。
しかし、国は、その約束すら反故にし、「新しい審査の方針」の下で積極認定の対象とされている疾病でさえ、しきい値による切り捨てを行い、非がん疾患についてはまるで却下を原則とするかのような二枚舌の恥ずべき運用を行っている。
東京地裁判決は、司法判断、被爆者との約束すら無視する国の恥ずべき姿勢を厳しく断罪するものである。国は、原告ら被爆者との約束の原点に立ち返り、直ちに審査基準の再度の改訂を行い、援護法の改正を急がなければならない。

4 本日の判決は、東京訴訟における集団訴訟最後の判決であった。これまで、東京訴訟原告は、全国の集団訴訟の牽引 車として制度の抜本的改訂を目指すたたかいの先頭に立って奮闘してきた。それは、ひとえに、自らの体験を語り核兵器の残虐性を告発することが「ふたたびヒロシマ・ナガサキをつくらせない」ことにつながるとの想いからであった。それに応えて全国の被爆者が自らの生命を賭してたたかってきた。
  7月8日、大阪地方裁判所における第3次近畿訴訟の結審を迎える。
  私たちは、大阪地方裁判所が国の認定行政を断罪し、国に対して国家賠償を命じることを求めることを信じてやまない。私たち近畿弁護団は、これまでの集団訴訟の成果の上に立脚して、国家補償の確立と核兵器廃絶を目指して、今後も最後まで被爆者とともに闘う所存である
 以 上

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2011.07.08 Fri l ニュース(原爆症裁判) l コメント (0) トラックバック (0) l top

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