http://http://www.asahi.com/national/update/0724/OSK201007240186.html

国が原爆症と認めないのは不当だとして、広島と長崎で被爆し、関西に住む計8人が8月4日、認定申請を却下した国の処分の取り消しなどを求める訴訟を大阪地裁に起こす。広島地裁でも9月に数人が提訴する方針という。国側と被爆者の間で昨年8月、集団訴訟を終わらせて解決を目指す「確認書」が交わされて以降、初めての一斉提訴となる。

 認定申請をめぐっては、国の却下処分を不当とする判決が各地で相次いだ。国は2008年以降、認定基準を緩和したが、翌年の確認書調印の直後から多数の却下処分を出している。8人の代理人を務める尾藤広喜弁護士は「国は司法判断に従わず、被爆者を大量に切り捨てている。『裁判を起こしたい』という被爆者を見捨てるわけにはいかない」と話している。

 提訴の方針は、24日に東京で開かれた原爆症認定集団訴訟の全国弁護団や被爆者団体などの会議で、尾藤弁護士らが加わる近畿の弁護団と広島の弁護団が明らかにした。

 会議の参加者らによると、今回提訴する被爆者は緩和された基準で認定を却下された人たち。却下処分の取り消しに加え、04年に改正された行政事件訴訟法に基づき裁判所が国に認定を命じることを求める人も含まれるという。これらの被爆者について、国は却下処分の理由を明らかにしていない。東京や長崎でも提訴を探る動きがあるという。


朝日新聞の記事です。
一部には、「新たな集団訴訟」のような書き方をされた新聞もありましたが、正確じゃないです。
これまで書いてきたように、昨年の「8・6確認書」以降、厚労省はそれまで凍結してきた認定申請について堰を切ったように大量に却下するようになりました。これまでの判決の水準からみると当然認定されるべき被爆者でも却下されています。
弁護団のところには、却下された被爆者からのたくさんの相談が来ています。
これまでなかなか認定されずに、義務付け訴訟(認定促進訴訟)を提起していた被爆者も、却下されたことで、取消訴訟に切り替えてきました。
昨年の「8・6合意」は集団訴訟の原告の救済枠組みを合意するとともに、「今後、訴訟の場で争う必要のないよう」定期協議の場を通じて解決を図るとされたのです。
私たちは、この「8・6合意」の全面実施を願っています。
しかし、現状では、何ら具体的な前進がないまま、多くの被爆者の申請が却下されています。
被爆者の皆さんは、昨年の合意からさらに歳を重ねています。
そんな被爆者の願いにぎりぎりまで粘って、もはやこのまま見捨てることはできないと提訴に至ったまでなのです。
ですから、今までのように全国的に集団提訴が取り組まれる方針は決まっていませんが、このまま事態が推移すればどうなるかはわかりません。でも、少なくとも、私たちは、被爆者の皆さんの願いに背を向けることはありません。
私たちは、昨年の「8・6合意」で集団訴訟に加わった被爆者のみの救済をしたのではありません。
厚労省は、兎に角、集団訴訟の原告さえ黙らせれば後は諦めて何とかなると思ったのかも知れません。しかし、そんなことであれば、それこそ不誠実です。「8・6合意」の趣旨が、集団訴訟の原告だけでなく、幅広い被爆者の救済にあることは明らかです。

スポンサーサイト
2010.07.28 Wed l ニュース(原爆症裁判) l コメント (2) トラックバック (0) l top